5)機能性表示食品

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保健機能食品(3つの種類), 分かりやすく, 解説,

     次に、保健機能食品の1つである「機能性表示食品」について、以下の3項目に分けて説明します。

(1)機能性表示食品について
(2)機能性表示食品のパッケージに表示する内容について
(3)機能性表示食品における機能性の表示について

  それでは、順番に説明します。

(1)機能性表示食品について

   機能性表示食品も医薬品ではないので、疾病の治療、予防を目的としたものではありません。また、疾病のある方、未成年、妊産婦(妊娠を予定している人を含む)、授乳中の方を対象にした食品ではありません。基本的には、食生活において、主食、主菜、副菜を基本に、色々な栄養素をバランスよく摂取して、食生活を見直すことが第一で、その上で機能性関与成分により「お腹の調子を整えます」、「脂肪の吸収をおだやかにします」等、健康の維持・増進に役に立つことを目的とした機能表示が出来る食品です。対象は加工食品、生鮮食品等すべての食品を対象にしています。また、「機能性表示食品(届出番号を含む)」であることをパッケージの主要な場所に表示することになっています(そのほかの詳細な表示内容は、次項で説明します)。

機能性表示食品を販売するには、国の定めたルールに基づいて、事業者が自らの責任において、安全性や機能性の科学的根拠データの収集、製品・製造・品質の管理体制、健康被害の情報収集体制を整備し、販売日の60日前迄に消費者庁長官へ届け出る必要があります(但し、国は製品の安全性や機能性の審査・許可は行っていません)。  

尚、機能性表示食品として届け出られた情報は、消費者庁のホームページに公開されています。

届出事項

① 表示の内容
② 食品関連事業者に関する基本情報
③ 安全性の根拠に関する情報(既存情報の調査、安全性試験の実施)
④ 機能性の根拠に関する情報(製品を用いた臨床試験、ないしは文献調査・研究レビュー)
⑤ 生産・製造及び品質の管理に関する情報(衛生管理体制、出荷防止体制、分析方法の確立)
⑥ 健康被害の情報収集体制(事業者の連絡先の表示)
⑦ その他必要な事項

消費者庁 「機能性表示食品」って何?

(2)機能性表示食品のパッケージに表示する内容について

  機能性表示食品のパッケージには、以下に示す項目を記載する必要があります。「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスが重要なこと」、「機能性表示食品は医薬品ではないので、疾病の治療、予防を目的としたものではないこと」、「疾病のある方、未成年、妊産婦(妊娠を予定している人を含む)、授乳中の方を対象にした食品ではないこと」、「疾患のある方、他の医薬品を服用している方は、必ず医師、薬剤師に相談すること」、「機能性表示食品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではないこと」、「製品の機能性及び安全性については、国による評価を受けたものではないこと」等を基本事項として、必ず記載する必要があります(尚、機能性表示食品における機能性の表示については、次の項目で説明します)。

パッケージに表示する内容

① 機能性表示食品である旨
② 科学的根拠を有する機能性関与成分及び当該成分又は当該成分を含有する食品が有する機能性
③ 栄養成分の量及び熱量
④ 一日当たりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量
⑤ 届出番号
⑥(加工食品のみ)食品関連事業者の連絡先
⑦(生鮮食品のみ)食品関連事業者の氏名又は名称、住所及び連絡先
⑧ 機能性及び安全性について国による評価を受けたものではない旨
➈ 摂取の方法
⑩ 摂取をする上での注意事項
⑪ バランスのとれた食生活の普及啓発を図る文言
⑫ 調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては当該注意事項
⑬ 疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨
⑭(加工食品のみ)疾病に罹患している者、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)及び授乳婦に対し訴求したものではない旨
⑮ 疾病に罹患している者は医師、医薬品を服用している者は医師、又は薬剤師に相談した上で摂取すべき旨
⑯ 体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師に相談すべき旨
⑰(生鮮食品のみ)保存の方法

栄養成分表示(機能性表示食品)|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局(食品表示基準第3条第2項、第18条第2項)

(3)機能性表示食品における機能性の表示について

  機能性表示食品における機能性の表示については、事業者は自らの責任において、科学的な根拠の基に適切で、誤認を生じない表示を行う必要があります。また、機能性の科学的根拠については、ヒトを対象とした臨床試験ないしは文献調査(研究レビュー)によって説明しなければなりません。
機能性の内容として、製品化されているものとしては、中性脂肪、血糖値、疲労感、血圧、保湿、認知機能、内臓脂肪、整腸作用、記憶力、BMI等のような生活習慣病、高齢者の疾患、ダイエット等に係るものが多くなっています。

 実際の製品のパッケージに記載されている機能性の届出表示としては、以下のものが挙げられます(尚、表示内容については、一部表現を変えています)。

例1)本品にはE〇AとDH〇が含まれます。E〇A、DH〇は血中中性脂肪を減らす機能があると報告されています。

例2)本品にはデ〇ス〇リンが含まれます。デ〇ス〇リンは食事から摂取した脂肪や糖質の吸収を抑える機能がある事が報告されています。

例3)本品にはデ〇ス〇リンが含まれます。デ〇ス〇リンには、食後血糖値の上昇を抑制する機能がある事が報告されています。

例4)本品にはイ〇ノシュ〇ーが含まれます。イ〇ノシュ〇ーには、食後血糖値の上昇を抑える機能があると報告されています。

例5)本品にはGA〇Aが含まれます。GA〇Aには血圧の高めの方の血圧を下げる機能がある事が報告されています。

例6)本品にはビ〇ィ〇ス菌が含まれます。ビ〇ィ〇ス菌には、健常な中高年の加齢に伴い低下する認知機能の一部である記憶力(一部の機能)、注意力(一部の機能)を維持する機能が報告されています。

例7)本品には〇ル〇ミンが含まれます。〇ル〇ミンは、健康なひとの肝機能酵素(GOT、GPT値)の改善に役立つ機能がある事が報告されています。

例8)本品にはプ〇シア〇ジンが含まれます。プ〇シア〇ジンには、悪玉コレステロールを下げる機能がある事が報告されています。

例9)本品にはル〇ィンが含まれます。ル〇ィンは網膜の黄斑色素を増やし、ぼやけ・カスミを軽減することが報告されています。

例10) 本品には、〇ラ〇ノイド配糖体が含まれます。〇ラ〇ノイド配糖体には、加齢に伴う記憶力の低下が気になる方に適した機能(一部の機能)がある事が報告されています。

(補足) 
・ヒトを対象とした臨床試験により科学的根拠が示されている場合、商品パッケージには「〇〇の機能があります」のように表示されます。 一方、文献調査(研究レビュー)により科学的根拠が示されている場合には「〇〇の機能がある事が報告されています」のような表現が基本とされています。
 ヒトを用いた臨床試験から得られた科学的根拠と、文献調査(研究レビュー)から得られた科学的根拠とでは、その根拠の程度に差があるので表現が異なる事に注意しましょう。

【本項目における纏め】

  機能性表示食品は医薬品ではないので、疾病の治療、予防を目的としたものではありません。また、疾病のある方、未成年、妊産婦(妊娠を予定している人を含む)、授乳中の方を対象にした食品ではありません。基本的には、食生活において、主食、主菜、副菜を基本に、色々な栄養素をバランスよく摂取し、適度な運動、十分な休養により、生活習慣を見直すことが第一で、その上で機能性関与成分により、健康の維持・増進に役に立つことを目的とした食品です。

ブログ 6)の詳細では、「栄養機能食品」について、説明いたします。

保健機能食品(3つの種類), 分かりやすく, 解説,