④「指定成分等含有食品」について

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  健康食品の中には、使用方法によっては人体に有害な作用を生じさせ得る成分(アルカロイド、ホルモン等)を含有しているものがあります。この中で製造管理が適切でなく含有量が均一でない、あるいは摂取目安量が科学的根拠に基づいていない等から健康への影響が生じた事例が生じました。そこで、このような事例を未然に防ぐために、厚生労働大臣が「指定成分等含有食品」として、特別の注意を必要とする成分として指定しているものがあります。

健康食品の使用・摂取等により、健康に悪影響を及ぼす可能性あるものとして指定されているもの。

① ブラックコホシュ      :  外国で肝障害の報告がある。
② コレウス・フォルスコリー : 通常より高頻度で下痢が報告されている。
③ ドオウレン        : 外国で肝障害の報告がある。
④ プエラリア・ミニフィカ   : 月経不順等(女性ホルモン作用)の報告がある。

これらの成分を含有する健康食品を販売する場合には、事業者は、食品表示基準第3条第2項により、以下の事項の表示を行う必要があります。

      表示事項             表示の方法
指定成分等含有食品である旨「指定成分等含有食品(○○)」と表示する(○○は、食品衛生法第八条第一項に規定する指定成分の名称)。
食品関連事業者の連絡先食品関連事業者のうち表示内容に責任を有する者の電話番号を表示する。
指定成分等について食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物である旨「指定成分等とは、食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物です。」と表示する。
体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師に相談すべき旨及び食品関連事業者に連絡すべき旨「体調に異変を感じた際は、速やかに摂取を中止し、医師に相談してください。加えて、体調に異変を感じた旨を表示された連絡先に連絡してください。」と表示する。

 また、これらの指定成分等含有食品による健康被害情報を収集する見地から、本成分の使用により健康被害が生じた場合、あるいはその恐れがある場合には、下記のように、食品衛生法により、事業者から行政への健康被害情報の届出が求められています。
 具体的には、食品衛生法第8条第1項に、下表に示すように、事業者はヒトの健康に被害を生じ、又は生じさせるおそれがある情報を得た場合には、遅滞なく、都道府県知事等に届出ることが規定されています。

第八条 食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物であつて、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定したもの(第三項及び第七十条第一項において「指定成分等」という。)を含む食品(以下この項において「指定成分等含有食品」という。)を取り扱う営業者は、その取り扱う指定成分等含有食品が人の健康に被害を生じ、又は生じさせるおそれがある旨の情報を得た場合は、当該情報を、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長(以下「都道府県知事等」という。)に届け出なければならない。
 都道府県知事等は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。
 医師、歯科医師、薬剤師その他の関係者は、指定成分等の摂取によるものと疑われる人の健康に係る被害の把握に努めるとともに、都道府県知事等が、食品衛生上の危害の発生を防止するため指定成分等の摂取によるものと疑われる人の健康に係る被害に関する調査を行う場合において、当該調査に関し必要な協力を要請されたときは、当該要請に応じ、当該被害に関する情報の提供その他必要な協力をするよう努めなければならない。

 健康食品の中には作用が強く、特別な注意を払う必要がある成分があることから、健康食品等を購入する際には、これらの成分が含まれているか、表示の内容をよく確認してから購入するかを検討したほうが良いと考えられます。

【本項目における纏め】

  健康食品と言っても、中には厚生労働大臣が特別な注意を払う必要があるものとして、「指定成分 等含有食品」があります。これに該当するものは現在4成分ありますが、事業者がこれらの成分を含む健康食品を販売する場合には、必要な表示を行う事、また万一、健康に影響する事例が生じた場合、あるいは生じる恐れがある時には、事業者は行政に届出ることになっています。

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